Safie Engineers' Blog!

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会議が変わると組織が変わる!? ~開発本部会のやり方変えてみた話~

「この記事はSafie Engineers' Blog! Advent Calendar 8日目の記事です」

自己紹介と本日のテーマ

セーフィー株式会社 開発本部 エンジニアリングオフィスの武田 智一です。 セーフィーには2023年1月に入社して、エンジニアに対する組織開発全般をおこなっています。エンジニアオフィス(組織開発)って何やっているの?というのはまた別の機会でお話しするとして、 今回はセーフィーのエンジニア全員が参加する

「開発本部会のやり方変えてみた」

のお話しをさせてもらえればと思います。

全体会議の課題

現在セーフィーの開発本部には約90人のエンジニアが在籍しています。 この90人全員参加のオンライン開発本部会を月1回1時間実施しています。

「この90時間ははたして有効に使えているのか?」

と、エンジニアの皆さんならとっても気になりますよね。 セーフィーでも同じ状況でした。

具体的には開発本部会には以下のような課題がありました。

  • 一方的な情報ダウンロードの会になっている
  • 共有される情報が人によっては既知の情報だった
  • 共有される情報が人によっては自分のやっていることとは遠い情報のため実感がわかなかった
  • 結果として参加率も低く、全体的に効果的で効率的な会議運営ではなかった

こういった課題を解決するために、今年の2月からエンジニアリングオフィスが主管となり会議体運営を見直しました。

会議体の再定義

基本的に、変更前後も会議の目的自体は変わっていません。 ただ、WhyをベースにHowを明確にしアジェンダを組みなおしました。 具体的には以下のように再設計しました。

1. なぜやるのかを言語化

セーフィーのビジョンは「映像から未来をつくる」です。そして、私たち開発本部は映像から未来をつくるを実際に体現しているエンジニア組織(創る組織)です。自分たち自身の業務やアウトプットは必ずビジョンにつながっているはず。

ただ、エンジニアの人数も多くなり、部署やグループも増えた結果、そのつながりをなかなか体感しづらい。

そこで、この開発本部会を軸に月に1度改めて自分たちがビジョン実現に貢献していることを認知する。そういう場にしたいという思いから、開催理由(なぜ)を「映像から未来をつくる」を体感するためにしました。

2. どうやって体感するか、の定義

ビジョン実現を体験するには何が必要かを考えたとき、まさに組織開発でするべきことだと整理しました。

組織開発において必要になってくるのは、同じ目標を正しく理解して、現在地を知ることから始まります。また、現在地を知った上で、どう感じているかを共有することで、お互いのことを深く知り、さらに一体感が生まれます。そういったHOWの部分を方針として明確化しました。

3. アジェンダの再設定

この方針をもとに、ベースとなるアジェンダを以下のように組みなおしました。

人により文章は捉え方が変わりますが、数値は同じです。 そこで開発本部全体をあらわす数字(数字で見る開発本部)を定義して、その数字を毎月共有することで、まずは目線をそろえるようにしました。 その数字の変化を具体的な報告で説明することで、全体から具体へのブレークダウンをしやすくしています。

参考までに、10月の開発本部会のアジェンダと数値報告の例です。

改善ステップ(ストーリー作り)

アジェンダの整理までは良いですが、それだけでは会議運営の改善にはつながりません。

毎月1回=年12回の会議を連携して有効に使うために、それぞれの月でどういった状態になってほしいか、その結果全体としてどう流れを作るかを最初に設計しました。

改善ステップ

テーマ 狙い やること
1月 現状確認 昨年と同じ形で開催
2月 認知 本部会で何を実現したいかを理解してもらう 概要説明、アンケート設計
3月 気付き ちょっと変わったかもという雰囲気をつくる 数字で見るシリーズの意味付、アンケートフィードバック
4月 自分事化 組織戦略(中身)について理解してもらう ロードマップに沿った組織戦略の発表
5月 事を知る1 各部でやっていることを知る 各部毎の発表(プロダクト詳細発表)
6月 事を知る2 各部でやっていることを理解したうえでフィードバックできる状況をつくる ガヤスレの活用、各部勉強会とのリンク作り(誘導)
7月 下期計画発表 上期の結果及び下期の目標共有 上期ふりかえり、下期注力目標
8月 人を知る1 組織にどんな人がどんな思いで働いているかを知る(人にも興味を持ってもらう) CTO発表
9月 人を知る2 他部署のことも知る 企画本部発表、部室長発表
10月 人を知る3 他部署のことも知る 営業本部発表、部室長発表
11月 全体を知る 他からどう見えているか(どう変わったか)知る CS本部発表、部室長発表
12月 年度ふりかえり 来年に向けた組織戦略を理解する 来期組織戦略発表、来期組織枠の説明

実際にはこの通りには進みませんでした。

ただ、各月毎の狙いが実現できたかを、アンケート結果等から毎回評価をおこないました。その結果を踏まえて微調整をしながら、翌月以降の個別アジェンダを整えることで、大きくストーリーを変更することなく、会議体運営の改善につなげることが出来たと思います。

結果

アンケートの結果です。 会議の満足度を100点満点として、何点だったかを毎回聞いています。

その結果、平均満足度は90点にまで上昇しました。また、参加率も大きく向上し10月の参加者数は100名を突破しました。(別部署の人も参加しているため、開発本部全員の人数よりも多くなった)

自由記述のアンケートコメントを見ても、毎月の開発本部会を楽しみにしてくれる人も増えてきたという実感があります。

まとめと今後の予定

開発本部会はみんなの満足度を上げることが目的ではありません。

映像から未来をつくる道筋を理解し、現在地を知ることでお互いが誇りをもってプロダクトを成長させ続ける。そして、開発文化を成熟させた最高の開発チームで「映像から未来をつくる」を実現することがゴールです。

そのためには足りていない部分はたくさんあります。また、組織も人もどんどん成長しています。

そういう変化も想定したうえで適切にハンドリングして、これからも開発本部全体会議を軸に情報を皆に届けられればと思っています。

なお、来年は以下のことにもチャレンジする予定です。

  • 開発本部を表す数値のアップデート(と本部外への展開)
  • 開発本部会以外の会議体設計との連携、ストーリー見直し
  • ガヤ(フィードバック)の活性化

最後に、会議を変えるだけでは組織は変わりません。 ただ、変化のきっかけづくりにはなったと思います。これからもエンジニアリングオフィスとして、エンジニアみんなが生き生きと働ける環境づくりに貢献していければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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