Safie Engineers' Blog!

Safieのエンジニアが書くブログです

エンジニアと育児

この記事はSafie Engineers' Blog! Advent Calendar 22日目の記事です。

セーフィー株式会社でソフトウェアエンジニアをしている大場です。

2022年10月に子供が生まれました。あれから1年という月日が経ち、育児の大変さを実感してきました。ソフトウェアエンジニアという職種はPC1台とネット環境さえあれば場所を選ばないため、コロナ禍もあり、リモートワークを中心として育児と仕事の両立を図りました。

本稿では育児の中で培ってきたあやし方や寝かしつけ方の回顧録を多少のエンジニア視点を交えてまとめておきます。尚、子供によって合う合わないはありますので、必勝の攻略法は(おそらく)存在しないことをご承知おきください。

爆誕から生後3ヶ月ぐらいまで

このフェーズでは如何に寝かしつけることができるか、が重要になってきます。と言うのも、生後間もない赤ちゃんは我々のように寝るという概念を知らないため、眠たくなると不機嫌になります。そして、不機嫌になることで泣いて苦しさを訴えてきます。そしてさらに眠れなくなり、不機嫌に... を繰り返す言わばデッドロックの状態に陥ります。

この状態を打破するには泣き疲れさせるか、睡眠導入ツールを活用するかになるわけですが、泣き疲れさせる場合は30分ほどで寝てくれる場合もありますが、大抵は寝てくれないので睡眠導入ツールが必須になります。 とりわけ、我が子はコリック(黄昏泣き)が酷く、生後3週間ほどから毎日のように夕暮れ時からギャン泣きしました。そこで、何か解法はないかと模索したわけです。

当時活用したツールは抱っこしながら音楽を流すことです。曲はネット界隈で話題となっている反町隆史のPOIZONです。なぜこの曲が有効なのか定かではないですが、一説によると低い音程で一定のリズムを刻んでいることが体内の音に近いということらしい。

反町隆史を交えた実際の検証記事はこちら

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曲の長さは4分ほどですが、我が家の場合は5サイクルほど(約20分)流すと大抵は寝てくれました。寝てくれない時は追加で数サイクル流します。そして、ベビーベッドで横に寝かせた後は耳元で音量を少しずつ下げながら流します。そして次第に深い眠りに入ったら成功です。

ですが、背中スイッチ(横になった瞬間起きてしまうこと)が発動すると振り出しに戻ってしまうため、無事に寝てくれた時は奇跡と思い、一切の物音や足音をたてない忍びの心得が身につきました。

しかし、寝ている時でもモロー反射(驚いた時に手足を広げる原始反射の一つ)はランダムで発動し、これに自ら驚いて起きてしまうというどうやっても回避不能なイベントが存在します。1年を通してみてもこの時の寝かしつけが最も困難であったと思います。

〜6ヶ月ぐらいまで

この頃は多少の寝返りはしつつ、テレビをなんとなく観ることができるようになりました。Prime Videoで適当な子供向けの動画を流すわけですが、ある時、特定の動画に対して笑みを浮かべていることに気付きました。

その動画のタイトルは「卵で色を学ぶ」で、内容は目玉のついた卵に色をつけて、「ハーイ」と叫びながら画面に迫ってくるものですが、この瞬間が好きだったようです。赤ちゃんは(おそらく)複数のオブジェクトを同時にトラッキングすることができないため、画面一杯で単一のキャラクターを映すようなシンプルなシーンの方が興味を引きやすい傾向にあるようです。

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一方、寝る方はというと、コリックによるギャン泣きの回数は減っていきました。しかしながら、体重増加に伴い、連日の抱っこで腰痛を発症しており、立った状態で寝かしつけることが困難になってきました。様々なツールを試行しましたが、最終的に行き着いたのは「バランスボール」でした(教えてくれた同僚の方ありがとう)。

寝かしつけの基本動作は上下に揺らすことなのですが、バランスボールがあると、座った状態で上下に大きく揺らすことができるため、腰の負担も少なく割と安定して寝かしつけを行うことができました。ただし、バランスボールから急激に立ち上がると、感覚が狂いバランスを崩してしまい、その瞬間起きてしまう恐れがあるため、体を上下に揺らしながら少しずつ立ち上がるという小技を編み出し、シームレスな移行を実現しました。

ちなみに、私が購入した製品はこちらです。実際にスポーツジムで使われており、空気もほとんど抜けないため、寝かしつけ以外でも利用価値が十分にあります。サイズですが、空気をフルで入れることはなく、空気の量で高さの調整が効くので割と大きめを買った方が良いです。

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尚、この頃までベビーベッドで寝かせていたのですが、ある日を境にベビーベッドで寝ることが一切できなくなりました。色々試行した結果、床にマットを敷いて一緒に寝たらいけそうだということで、それから床で寝るようになりました。

〜9ヶ月ぐらいまで

この頃になると、つかまり立ちとハイハイができるようになりました。我が子はハイハイの速度が異常に速く、Macで作業をしているとキーボードを目掛けて脱兎の如く突進してくるようになりました。記憶力もついてきて、それまでは布団を被っていれば気付かれなかったのですが、布団をはいでくるようになり、手の届く所での作業が困難になってきました。

そんな時は例のごとくテレビで動画を観せるのですが、さすがに卵は観飽きたのか集中力が続かなくなりました。代わりに興味を示したのがPrime Videoの「モラン」です。ウサギのモランとヒヨコのピウピウのアニメなのですが、これが大ヒットし、映してる間はテレビにかじりつき、卵に代わる鉄板のコンテンツになりました。こうした番組を一つは見つけておくと、いざという時に大変助かります。 ちなみにですが、モランは大人も楽しめる内容で、私はグッズを買いにいくほどのファンになりました。

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寝かしつけの方ですが、バランスボールは子供の成長に伴い、ボールの上で立ってしまうようになり、座った状態で寝かしつけることが困難になってきました。ですが、自分の寝床を何となく理解できるようになり、ツールを使わなくても自分で頑張って寝ようと試行してくれるようになりました。

〜12ヶ月まで

この頃になると成長が著しく、歩き始めたと思ったら、いつの間にか走り出すようになっていました。疲れて床に横たわっていると、平然と踏み潰して乗り越えていきます。子供にとっては単なる障害物と認識されているのでしょう。寝かしつけに活用していたバランスボールはいつしか転がして遊ぶようになっていました。

テレビはモランが相変わらずのお気に入りですが、モランは独自のモラン語を話すため、このままでは日本語でも英語でもなく、モラン語を話す子に育つのではと危惧し、他のコンテンツも併用して観せるようにしました。 テーブルの上でMacを開いているとソファによじ登って攻め込んでくるため、最終的にキッチンカウンターで立った状態で作業していました。そうしていると、子供が脚にまとわりついてきて、奥さんと隠れんぼで遊びだします。

寝かしつけは走り回って疲れさせた後は、電気を消せば自分の力で寝てくれるようになりました。寝るまでは一緒に横になって添い寝してあげるのですが、寝返りをする際に裏拳とソバットが飛んでくるので、ガードは崩さないよう注意が必要です。

1年を振り返って

振り返ってみると、この一年は仕事も含め壮絶であり、長いようであっと言う間でした。育児は自分が想像していたよりもずっと難解であり、本稿では語られていないお風呂、ミルク・離乳食、おむつ替えなども含め、日々時間に追われていました。また、これまで通用していたことが次の日から全く通用しなくなる、ということも日常茶飯事でした。そのため、子供の成長に伴い、生活サイクルを適応させていくことが常に求められました。

仕事との両立面では、子供が誕生してからは子供を中心とした生活に激変しました。それまでは、好きな時に開発することができましたが、それは不可能になりました。特に生後間もない頃は育児で1日が終わってしまう、という日も多々ありました。

そのため、限られた時間を如何に有効活用し、効果を最大限に発揮するか、という意識が強く芽生えるようになりました。また、何より、家族の支えにより、仕事に集中できる時間を捻出できるようになったことで、育児と仕事を両立しながら、次第に以前と変わらぬパフォーマンスを発揮できるようになった点も大きいです。

これらの経験を通じて感じたことは、育児と仕事を分業するのはあまり効率的ではなく、大切なのは互いに助け合う意識を持ち、互いの負荷を減らすことを常に意識する、それが結果的に高いパフォーマンスの維持に繋がるということです。

思考の面では、エンジニアは物事を論理的に考え、必ずそこに解があると信じて止まない生き物ですが、子供の成長を通じて、イレギュラーケースに対してはそういうものなんだな、と思えるようになり、これまで自分が持ち合わせていなかった考え方ができるようになりました。

総括すると、育児を通して、自分自身もまだまだ未熟であると再認識することができ、今年1年は人生の中でエンジニアスキルとは別に、人として大きく成長できた1年になったかなと思います。

※ご紹介した番組はPrime Video以外にYoutube等でも配信されていますので、お好きな配信サイトをご利用ください。

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