Safie Engineers' Blog!

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エンジニアリング組織の「横のつながり」をどう作るか?周囲を巻き込む組織開発の第一歩

この記事はSafie Engineers' Blog! Advent Calendar 14日目の記事です

はじめに

はじめまして!エンジニアリングオフィスの山崎麻衣子(@ymzaki_m4)と申します。
セーフィーには2025年3月に入社し、開発本部の組織開発全般に携わっています。

(エンジニアリングオフィスのお仕事については、昨年の記事も良ければご覧ください!) engineers.safie.link

今回は、私がこれまで取り組んだ「組織の横連携強化」に関する施策についてご紹介します。
組織の拡大によって生じ始めた課題と、その解消に向けた最初の一歩。組織マネジメントで同じような悩みを抱える方の、何かちょっとしたきっかけになれば幸いです。

強力な組織の実現へ:課題を探る

開発本部の今年度(FY25)の目標の1つとして、「強力な組織」の実現が掲げられていました。
セーフィーのさらなる事業成長を促進するためには、将来の成長を実現しうる仕込みや組織体制の整備を進める必要がありました。
そのためには、現状の成長速度に満足せず、組織文化の醸成、個人の成長支援、情報連携強化など、多面的な成長を強力に推し進めることが重要となります。

こうした状況下で入社した私がはじめに取り組んだことは、開発本部の部室長、グループリーダー(GL)との1on1で、組織の現状を多角的に把握することでした。

約3週間かけて計25名の部室長やGLに対してヒアリングを実施しました。
現在の組織の取り組みや課題などについて、採用、オンボーディング、育成、評価、文化醸成、開発プロセスなどの幅広い切り口でお伺いしました。
業務の合間を縫って快く応じてくださり、みなさんが抱いている想いや組織の現状を把握することができました。(ありがとうございました!)

本質的な課題を特定:浮き彫りになった2つの壁

ヒアリング内容は構造化・抽象化し、開発本部全体の本質的な課題を特定しました。
これらの課題を基に、解決のための道筋を考え、直近で実施すべき具体的な施策を策定しました。

まず、組織として課題感が大きいものを以下の4つのテーマに分類しました。

  1. 組織運営の基盤強化
  2. 人材育成・成長の仕組み化
  3. 業務効率と生産性向上
  4. 組織文化と帰属意識の醸成

さらに、短期・中長期に分類し、課題の関連性と施策の優先順位を探っていきました。
その結果、直近で取り組むべき課題が以下の2つであると特定するに至りました。

  • 組織の明確な方向性・ビジョンが不足している
  • 役割や権限が不明確で、横のつながりが薄い

これらの2つの課題を解決していくにあたり、まずは「既存のリソースを活用してすぐに実施可能で、直接的に効果が見込めるもの」に取り組み、着実に成果へとつなげていきます。一方で、「根本的解決に時間を要し、新たな仕組みや文化の醸成が必要なもの」についてはバックキャスティングで計画を策定し、この両輪で課題解決を推進します。

そこで、まず着手したのが「GLの横連携強化」でした。

GLという組織の中核を担う存在が積極的に連携することで、組織の一体感を醸成し、グループを超えて成果や付加価値を創出し続けられる組織を目指したいと考えました。
また、GLの半数以上から共通課題として挙げられたのが「GL役割と権限の定義の曖昧さ」や「部門・チーム間の情報共有と連携の弱さ」であり、これらが組織の方向性の不明確さや横のつながりの希薄さにつながっているとも考えられました。

この短期的な基盤強化が、長期的な成長のための「土台」を固める上で必要だったのです。

開発本部FY25下期キックオフ(2025年7月開催)での説明資料より(一部改変)

「横のつながり」を生む:GL横断ミーティングの実行と設計

「GLの横連携強化」を進めるために、「GL横断ミーティング」の定期開催を企画しました。
この会議は「組織の中核を担うGLが、自身のチームを超えて組織全体を理解し、相互に協力しながら、より良い組織を共に創っていくための、主体的な場」と定義し、GLの中で有志を募って始めることとしました。

企画の検討にあたって特に意識した点は以下の4点です。

  • 一方的な情報提供ではなく、双方向の対話やワークを中心とした設計にする
  • 毎月の開発本部会で実施内容を全体共有することで、活動の透明性を高める
  • 各回でテーマを明確に定め、明日からの活動につながるアウトプットを意識する
  • アウトプットや実施後アンケートを踏まえ、会議自体の改善を繰り返す

また、目指す状態とそのためのステップを意識しながら、段階的なロードマップを設定しました。

会議は8月から開始し、月1回以上の頻度で継続的に開催しました。
はじめは「相互理解と安心できる場の醸成」をテーマに、参加者同士の交流を重視しました。回を重ねるごとに「実践と改善のサイクル」を重視し、具体的な現場の課題解決のための議論や、マネジメントスキル向上を意識した学習を取り入れ、組織への貢献を視野に入れていきました。

11月末までで全6回開催しましたが、当初からGLのみなさんが意欲的に参加してくださり、会議への満足度が高い状態が維持できています。(ありがとうございます!!)
また、要望も踏まえて会議の運営やコンテンツを調整することで、マネジメントスキル向上などへの貢献度も高められていることをアンケート結果を通じて感じることができました。

組織変革の第一歩と、次の目標

「GL横断ミーティング」は、GL同士が部門やチームを超えて課題を共有し支え合うための「横のつながり」を強化し、ラインマネジメント能力の向上という成果も出始めていると感じています。

今後はさらに、長期施策として「組織ビジョンの策定と言語化」を進めたいと考えています。
「実行力と創造力を兼ね備え、事業成長に必要な変化に迅速に対応できる組織」を目指し、その想いを言語化して社内外に示すことで、想いに共感したメンバーが集まる「異才一体」な強い組織となり、さらなる事業成長に貢献できるように取り組んでいきます!

また、これまでの取り組みを通じて、セーフィーは自ら考え、判断し、行動することで、自律的に価値を創造するメンバーのスタンスを大切にしてくれると強く感じることができました。
これからも組織課題に真摯に向き合い、改善プロセスを継続的に推進していきます。

おわりに

本記事では、私が取り組んだ組織変革の第一歩についてご紹介しました。
まだ道半ばでやりたいことも数多くあるので、いつか別の機会にご紹介できればと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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