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セーフィー、関東地方発明表彰で「発明奨励賞」を受賞!

この記事はSafie Engineers' Blog! Advent Calendar 10日目の記事です

「社内プチ表彰式」の写真

はじめに

みなさんこんにちは。法務部 知財グループの永島です。
セーフィーでは、2022年に知財部門を立ち上げて以来、20件以上の特許が登録されています。
今回は、その中の1件について、上記表彰に応募したところ無事に受賞できましたので、お話いたします。

地方発明表彰とは

地方発明表彰は、公益社団法人 発明協会が大正10年から開始した歴史ある表彰で、全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地方から生まれた優れた発明等を表彰するものです。

地方発明表彰の詳細(発明協会Webページ)
https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/chihatsu.html

イメージとしては、「特許の甲子園」みたいな感じです。ただ、その地方大会とはいえ、特にセーフィーが応募する関東ブロックは激戦区で、例年、名だたる大企業が多数応募してきます。そこに、セーフィーのような数年前に上場したばかりのスタートアップが如何に切り込めるか・・・初応募は、まさに挑戦でした。

受賞内容

令和6年度 関東地方発明表彰 「発明奨励賞」 
 【発明名称】映像解析により人の滞留を検知するシステム
 【特許番号】特許第7279241号
 【受賞者】谷野 香菜 橋本 貴博 鬼城 渉 藤澤 真之 大友 裕明
      柏木 直諒 松田 一輝 沖 総一朗 小嶋 幸恵

単に特許が取れただけでなく、それを第三者機関に評価してもらった結果、大企業と肩を並べて受賞者に名を連ねることができたという事実は、それだけで誇れることであり、会社にとって大きな自信となった筈です。

どんな発明?

特許第7279241号(以下、本件特許)は、Safie Oneに搭載されたAI-App人数カウントの1つである「立ち入り検知」に関するものです。

その概要については過去にこちらの記事でも紹介済みですが、もう少し詳しく説明します。

近年、店舗のカメラで撮影した映像を現場のDX に活用する試みがあり、その中で本件特許が生まれました。
ざっくり言うと、上図に示したようなシステムにおいて、人の滞留を見える化するための技術です。

ポイントは、予め検知エリアおいて人の滞留を検知するための条件:①人数②滞留時間を設定しておき、実際にカメラで撮影した映像において①②の条件が満たされた場合に、そのタイミングを出力する(サムネイル表示/タイムライン上にオブジェクト表示)というものです。

利用シーンとしては、例えばレジ待ちが長くなっているシーンを可視化することにより、店員のシフトや接客方法を改善するのに役立ちます。また、例えば売場で特に混雑しているシーンを可視化することにより、売場のレイアウトや商品のラインナップを再考するのにも役立ちます。この様に現場のDXが進めば、店舗側の機会ロスが減り、お客様の満足度向上に繋がります。

さらには、店舗の省人化が図られることにより、日本の大きな課題である働き手不足の解消にも貢献することができます。

本件特許に込めた想い

近年、世の中では監視カメラの用途を現場DXに広げようとする動きが一部見受けられるようになってきたものの、まだ思うようには進んでいません。
その主な要因は、「記録された膨大な映像データの中から、見るべきシーンを特定するのが大変」という点にあり、これが映像データを利活用するうえで大きな壁となっています。

これを克服すべく、AIによる映像解析等に頼る企業もありますが、AIの精度を実用に足るまで上げるのは難しい場合が多く、AIを作るためのコストや時間も馬鹿にならないため、AIの社会実装はなかなか上手くいっていない、というのが現実です。

本件特許は、その様な現実を理解したうえで、多くの発明者が共に現場で議論を重ね、人が考えたロジックをシステムに組み込むことにより、映像データを利活用するための壁を突破しよう、という想いが込められています。

「社内プチ表彰式」の様子

発明協会の表彰式には参加できませんでしたが、その代わりに社内でプチ表彰式を行いました。
当日は、受賞者、森本CTOが参加し、表彰状の授与やスピーチ等で盛り上がりました!

  • 表彰状授与の様子

  • 受賞者の谷野さんのコメント
    一言では語り尽くせないくらい困難なプロジェクトでした。当初は「Safie One」が売れるかどうか不安もありましたが、多くの方に選ばれる商品となり、大変嬉しく思っています。
    今回の受賞は、チーム全員が一丸となって努力を重ねた結果が実を結んだものです。この成果を手にできたことを心から誇りに思います。
    これからも機能改善を重ね、賢くなるカメラである「Safie One」をさらに進化させていきたいです。

  • 森本CTOのコメント
    これまで、売れない商品に悩まされることも多く、まさに可能性を模索していた時期に「Safie One」は生まれました。これは、チームのやりきる力が生み出した成果です。
    今回の受賞は、私たちの努力が評価された結果だと感じており、大きな喜びと誇りを感じています。また、このような表彰への応募は社会的な意義を広げ、セーフィーの認知度を高め、新たな可能性を切り開く大切な取り組みであると確信しています。
    今後も、私たちはさらなる高みを目指し、果敢に挑戦し続けます。

おわりに

セーフィーでは、上場後に知財活動が本格化しましたが、そこから1年目で種蒔き(出願)⇒2年目で収穫(登録)⇒3年目で外部評価(表彰)と、着実に進化してきました。
これは何といっても、現場で新しい技術がちゃんと生まれていたからです。特にSaaS系の業界においては、大して新しい技術は生まれていないだろう・・・と当事者含め思い込みがちですが、そうではないことが証明できたと思います。

今後もセーフィーは、地道な開発活動を通してイノベーションの現実解を見出し、日本の新たな未来を切り開いていきたいと考えています。

セーフィーではエンジニアを積極的に採用しています。
興味がある方は是非下記サイトを一度覗いてみてください。
https://safie.co.jp/teams/engineering/

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