1. はじめに:プロジェクトマネージャーに挑戦するか悩んでいる人へ
みなさん、こんにちは。2024年9月にセーフィーに入社して、ハードウェア開発プロジェクトマネージャー(以下、HW開発PM)として働いている松岡です。
それまでは新卒からメカエンジニアとして働いており、セーフィーでHW開発PMに挑戦しましたので、その挑戦の振り返りを記します。
セーフィーのHW開発PMに興味はあるものの、募集要項を見て「自分にはまだ早いかも」「ハードルが高いな」と感じたことがある方もいるかもしれません。
実は私自身も、PMとしての十分な経験がない状態でセーフィーに応募しました。
このブログでは、経験が浅い立場からでもチャレンジできた私の実体験をお伝えします。
- 1. はじめに:プロジェクトマネージャーに挑戦するか悩んでいる人へ
- 2. セーフィー入社前について
- 3. セーフィーに入社して
- 4. 振り返り(9ヶ月働いてみて)
- 5. この先に目指す姿
- 6. おわりに
セーフィーのHW開発PMの担当業務とは
HW開発PMという職種は、開発PMとハードウェアエンジニアの両方の役割を担う職種になります。
- ハードウェアエンジニア
- 開発パートナーと連携して、設計、性能評価、信頼性試験、法規制対応、量産品質の確保までハードウェア開発を推進する
- 開発PM
- プロジェクト全体の開発計画を策定し、品質、コスト、納期、リスクなどを管理しながら、開発パートナーや社内のエンジニア、関係部署などと連携して、プロジェクトの目標を達成できるように推進する
2. セーフィー入社前について
私の経歴
私は、これまでのキャリアで2つの会社を経験してきました。
- 1社目 電機メーカー:R&D部門に所属し、新製品開発に携わっていました。しかし、最後まで製品を作り上げられずに終わり、「自分の手で製品やサービスを世に送り出したい」という強い思いから転職を決意しました。
- 2社目 IT会社:IoT機器開発を行い、サービス化まで実現するという目標は達成できました。しかし、品質問題によるメンテナンス作業での出張が多くなり、今度は「品質を意識した製品やサービスを作り上げたい」という新たな課題意識が芽生え、再度転職を考えるようになりました。
転職で実現したかったこと
前職までの経験を通じて、私は自身のスキル不足を感じ、以下の2点を身につけたいと強く思うようになりました。
- ハードウェアエンジニアとして、品質を意識した製品開発を行える人材になりたい
- ビジネス視点を持ったマネジメント人材になりたい
転職先を調査している際に、セーフィーのHW開発PM職がまさに私の思い描くキャリアにピッタリだと感じました。しかし、同時に募集要項に不安を覚えたのも事実です。
募集要項のどこにハードルを感じていたのか
特にハードルだと感じたのは以下の点でした
プロジェクトマネージャー職への不安
- 役割と責任:プレイヤーとは異なり、プロジェクトを成功に導くために具体的に何をすればよいのか分からず、漠然とした不安
- 成果:これまで経験のない業務で本当に成果を出せるのかという不安
- 開発メンバーのマネジメント:ソフトウェアエンジニアを含むチームをマネジメントできるかという不安
- スキルや知識、経験への不安
- 具体的なマネジメント手法を知らないこと
- ソフト開発の理解不足
ハードウェアエンジニアとしての不安
- セーフィー製品における法規制対応や量産品質の確保といった特定の専門分野における知識や経験の少なさ
そのハードルを乗り越えられそうと思ったのはなぜか
そんな不安を抱えつつも、セーフィーへの応募を決断し、最終的に入社できたのは、選考プロセスの中で不安が払拭されていったからです。
- 面接前のカジュアル面談:この職種は、エンジニアスキルも重要だが、PM職としての業務に重きを置いていると説明していただき、自分の目指す方向性と一致していることを確認できました。
- 面接後にメンバーとの入社前カジュアル面談:面接前カジュアル面談と比べて、より具体的な業務内容やオンボーディング内容に関する詳細な説明を受け、入社後のイメージが明確になり、不安が払拭されました。
3. セーフィーに入社して
入社前の不安、実際にどうだったか
意外とスムーズに適応できたこと
「ソフトウェア開発の知識がない中で開発メンバーをマネジメントできるか」という点については、入社後、想像以上にソフトウェアエンジニアとの連携が密接であることが分かり、そこまで大きな壁ではないと感じています。ソフトウェア開発の深い知識がなくても、PMとして必要なコミュニケーション能力や課題解決能力があれば、円滑な連携が可能です。また、私自身セーフィー独自のファームウェア SafieClient に触れ、ビルドしてテストすることでソフトウェア開発の理解を進めております。周囲には相談しやすいメンバーがいて、疑問点があればすぐに相談できる環境が整っています。
やはり直面した課題、得られた手厚いサポート
HW開発PMは非常に幅広い知識と経験が求められる領域だと実感しています。前職では他の部署が担当していたような業務も自分の役割に入ってくるため、経験が少ない分野では戸惑うことも少なくありません。
しかし、社内では、こうした未経験分野のサポートや育成に非常に力を入れています。単に業務を割り振るだけでなく、「どうすればできるようになるか」を一緒に考えてくれる文化があるため、安心して挑戦できています。また、オンボーディング面でもサポートが手厚く、開発PMとして、ハードウェアエンジニアとして必要な知識やスキルを身に付けるためのプログラムを用意して頂き、少しずつ担当領域が広がっていることを実感しています。
活きた経験
前職までに培ったメカエンジニアとしての経験は非常に活きていると感じます。特に「ハードウェアの設計・評価に関する経験」と「製造現場での問題解決経験」は、ODMベンダーとの技術的な議論において、相手の言っていることの本質を理解し、的確な質問や指示を出す上で大きな助けになっています。
感じたこと
HW開発PMのチームは社内では比較的新しく、現在も発展途上にあるため、私たちは業務手順書の整備を積極的に進めています。私自身もその一端を担い、各メンバーが培ってきた豊富な知識を手順書に落とし込む作業に携わっています。
特に、私がメカエンジニアとして培ってきた経験は、この手順書作成において大いに役立っており、メンバーと活発に議論しながらより良いものを作り上げています。これは、私と同じように経験が浅い方がスムーズにチームに加わり、活躍できる環境を皆で協力して築いている証でもあります。
4. 振り返り(9ヶ月働いてみて)
入社から9ヶ月が経ち、開発PMとしてもハードウェアエンジニアとしても多くの学びがありました。
開発PMとして
- 身についたこと:限られたリソースで目標を達成するというコミットメント意識が身につきました。
- 成長を実感したこと:メンバーのサポートのもと、計画通りにプロジェクトを推進し、販売を開始することができました。今後は、オンボーディングで得た知識の実践と、メンバーのスキルを吸収し、独り立ちを目指します。
- 出来ていないこと:前任者から引き継いだプロジェクトでは、コストを考慮した仕様策定やODMメーカー選定といったプロジェクト序盤の作業に携わる機会がありませんでした。次回のプロジェクトでこれらを実践し、身につけていきます。
ハードウェアエンジニアとして
- 身についたこと:ユーザー体験を、品質を意識して開発することができました。
- 成長を実感したこと:品質を意識した開発品の評価、評価レポート作成、評価レビュー会を主導し、商品化プロセスのマイルストーンを達成できたことは大きな自信になりました。
- 出来ていないこと:開発製品における認証や規制に関するODMメーカーとのやり取りは、まだメンバー頼みになっていました。オンボーディングでの学習や、他製品の実施事例を参考に、次回のプロジェクトでは自ら実践して身につけます。
5. この先に目指す姿
開発PMとして
私は、まず「プロジェクトを完遂できるPM」を目指します。計画通りにプロジェクトを進め、目標とする品質・コスト・納期で成果物を完成させ、プロジェクトを無事にクローズできるPMになることです。
ハードウェアエンジニアとして
ハードウェアエンジニアとしては、自身の専門性を活かして技術課題を自律的に解決し、周囲と連携しながら品質・コスト・納期を意識してプロダクトの成功に貢献できる状態を目指します。
その先のキャリアとして
将来的に目指す姿は、技術とビジネス、そして人を繋ぐ「ハブ」となる存在です。単なるプロジェクト管理に留まらず、プロダクトの成功に深く貢献できるPMとして、さらにハードウェアエンジニアとしての専門性を深めることで「プロダクト全体を俯瞰し、ビジネス価値を最大化できる技術者ビジネスパーソン」を目指します。
6. おわりに
セーフィーでは、私のようにPM経験が浅いメンバーでも、挑戦と成長の機会が豊富にあります。
HW開発PMを現在も募集しておりますので、「望ましい経験/スキル」の全てが揃っていなくても、その一つ一つをセーフィーで極めていきたい!というあなたの意欲を、ぜひ私たちに聞かせてください。